高次脳機能障害ついて

概要

高次脳機能(こうじのうきのう)とは、脳の記憶、思考、判断をする高度な機能のことを指しています。

高次脳機能障害は、交通事故などによる頭部外傷後の脳の損傷や脳に関連した病気によって、起こる症状のことです。

症状には主に失語症(しつごしょう)、失行(しっこう)、失認(しつにん)、記憶障害、注意障害、遂行機能障害(すいこうきのうしょうがい)、社会的行動障害が挙げられます。せん妄(もう)や認知症(にんちしょう)と間違われやすいので注意が必要です。

失語症は、左側の脳の損傷によって、言語の中枢を司る神経の損傷によって発生します。運動性失語と感覚性失語、それらを合わせた全失語(ぜんしつご)があります。

失行は、観念失行(かんねんしっこう)、観念運動失行、肢節運動失行(しせつ)、着衣失行、構成運動失行、運動維持困難があります。簡単に説明すると、いつもはできていた動作や行為ができなくなってしまう障害です。

失認が失行と異なる点は、物事の理解が難しくなるということです。失認には、視覚失認、視空間失認、触覚失認、聴覚失認があります。

遂行機能障害は、行動計画が立てられない、行動を制御することが難しくなる症状が特徴的に現れます。

このように高次脳機能障害は、多種多様な症状が発生します。そのため、これらの障害を判別するための検査方法もあります。リハビリ専門職が検査を行い、医師が診断をすることもあります。

高次脳機能障害は、目には見えにくい症状がでることがあるため、身の回りの家族や関係者が認知しにくいこともあります。そのため、適切な診断に基づいた理解が大事になります。