糖尿病とリハビリについて

概要

糖尿病は、免疫の異常により起こるⅠ型糖尿病と生活習慣や遺伝による起こるⅡ型糖尿病があります。しかし、圧倒的にⅡ型糖尿病のほうが多いです。このⅡ型糖尿病は、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンへの反応が悪くなったり、インスリンが不足することで血液中のブドウ糖濃度を正常範囲内ではなくなる疾患です。

血糖値が高い状態が続くことによる合併症が糖尿病においては重大な問題となります。糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症が有名です。合併症が進行すると、人工透析が必要になり、失明や足の潰瘍、心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症になりやすくなるという問題が起こります。

Ⅰ型糖尿病は、インスリンが分泌されないため、治療方法は主にインスリン注射が行われます。Ⅱ型糖尿病は、食事や運動の管理によって、予防と改善が見込まれます。

リハビリについて

2型糖尿病に対しては、運動療法は効果的です。主に運動内容は、有酸素運動と筋力トレーニングが有効とされています。有酸素運動については、可能ならば毎日30分以上は行い、過度な疲れが起きないことが重要です。筋力とレーニングでは、低負荷の運動と休息を取り入れレジスタンストレーニングが有効的で週3回程度は行うことが推奨されています。

合併症が進行すると、糖尿病性神経障害の影響で足の感覚が鈍くなることがあり、これによって転倒してしまうこともあるため、安全な動作の確立も行う必要があります。

合併症の進行状況を常に確認しながら、運動負荷量を比較的楽に続けられる負荷量に設定していくこと、習慣的に取り組める食事療法、運動療法、薬物療法を行い続けていくことが大事なことになります。

糖尿病性腎症により、人工透析を行っている場合は、体重管理、水分管理と共に運動療法を体調と疲労度に応じて行います。人工透析の場合、シャントがあるので運動内容に配慮を必要とします。比較的楽に行える程度の運動負荷量を継続して行うことが望まれます。