概要
交通事故などによって、頭部に強い衝撃が加わった時に脳に損傷や出血が発生している状態のことを脳挫傷と診断されます。脳挫傷(のうざしょう)は、脳の前頭葉、側頭葉に発生しやすいです。脳挫傷は、脳へのダメージの程度によって、出現する症状に多様性があります。直接脳に衝撃が加わることで外傷性クモ膜下出血(がいしょうせいくもまくかしゅっけつ)を合併することもあります。
脳挫傷によって、6時間以上意識障害が継続する場合は、びまん性軸索損傷(じくさくそんしょう)と呼ばれる状態と認定されます。
リハビリについて
脳挫傷の治療法は、出血や脳浮腫(のうふしゅ)に対する手術や薬物療法が選択されます。その後、身体の状態が安定して病院でのリハビリテーションが行われます。ここでは、残存している脳の神経で失われた脳の機能を代償できることを目指します。
急性期と回復期の病院でのリハビリテーションでは、1日にどの程度の頻度で治療が行われるか、リハビリ専門職が揃っていて、積極的なリハビリテーションが行なえる環境なのかを判断することが重要です。
脳細胞は、現在の医療制度では回復しないと言われています。再生医療などもありますが、保険適用にはなっていない状況です。脳の機能は複雑であり、解明されていないことも多いです。急性期と回復期のリハビリテーションの結果で後遺症(こういしょう)が永久に続くと落胆しないでほしいと思います。諦めなければ、何らかの変化や進歩は常に目指すことができるのが脳挫傷に対するリハビリの考え方になります。