コラム

パーキンソン病のコラム

・パーキンソン病は、脳の指令を伝達する“ドパミン”の減少によって、運動症状と非運動症状が発生します.特に運動症状は、パーキンソン病に特徴的な症状であります.固縮、無動、静止時振戦と呼ばれるものです.診断する上でも必ず確かめられるものとなります.

・運動症状は、具体的にじっとしているときに手足が震える、筋肉が硬くなって、身体を円滑に動かしづらくなる、動作が遅くなり、細かい動作がしにくくなる、歩行時の足がでにくくなる、身体のバランスがとりづらくなり、転倒リスクが高くなるという日常生活において、大きな支障をきたしてしまう症状が多様に出現してしまいます.

・非運動症状は、便秘、頻尿、嚥下障害、発声障害、入眠障害、眩暈、認知症、易疲労、鬱症状、体重減少などをきたしてしまうことがあります.

・パーキンソン病は、根本的に治す治療方法は確立されてはいません.運動症状と非運動症状を和らげ、日常生活を円滑に過ごせるようにするため、主に薬物療法が行われ、内服薬の副作用で薬物療法が行えない場合には、大脳基底核に電極を埋め込んで連続的に電気刺激を加える脳深部刺激療法が行われることもあります.

・パーキンソン病のリハビリでは、運動症状の症状である固縮、無動に対して、筋肉を緩めて四肢・脊柱の可動性を改善すること、外的&内的リズムの利用を通して、基本動作を円滑化を図ること、嚥下障害の進行予防のための呼吸&嚥下リハビリも行います.非運動症状に対するリハビリでは、認知運動療法として、作業療法や言語聴覚療法も併せて行われることがあります.
・パーキンソン病のリハビリでは、転倒予防が非常に重要な役割となります.転倒により、骨折を受傷されることをきっかけ筋力低下が起こることで寝たきり状態に陥ってしまうリスクが高くなってしまうからです.そのため、転倒予防に対する取り組みでは、自宅内の環境整備、歩行補助具の適切な使用が必要となります.

・パーキンソン病は、進行性の疾患でありますが、標準的算定日数を超えてもリハビリを行える場合もあります.しかし、進行性の疾患であり、集中的なリハビリを行えていない場合も多くあると思います.そのため、パーキンソン病を患った方は、今後の生活に不安を感じ、進行していく症状の中で生活意欲が低下してしまう場合があります.本人だけでなく、ご家族に対する支援も必要になります.

・神栖神経リハビリセンターでは、身体的&精神的不安を抱いている方の身体的、環境的、社会的、精神的なサポートをマンツーマン120分週2回程度の頻度にて徹底的にサポートさせてもらうことができます.