この方のプロフィール
| 疾患 | 片麻痺による上肢の運動麻痺(廃用手) | 年代・性別 | 40代・男性 |
| 利用期間 | 1か月(モニター) | 頻度・1回の時間 | 週2回・120分 |
| 利用形態 | 通所 | コース | モニターコース |
Summary
この事例の概要

受傷から5年、麻痺側の肩・肘・手をまったく動かせない状態(廃用手)でご来所された男性です。重機を扱うお仕事への復職を目標に、1か月のモニターコースで上肢を中心としたリハビリに取り組まれました。初日は動かそうとするほど腕全体が固まってしまう状態でしたが、力を抜く感覚をつかまれてからは肘の曲げ伸ばしや肩のコントロールができるようになり、手指もわずかに動きはじめています。現在は、物を持つ・手を伸ばすといった復職を見据えた練習に進んでいます。
Change
ご利用前とご利用後の変化
ご利用前
- 麻痺側の肩・肘・手をまったく動かせない(廃用手)
- 力を入れようとすると、腕全体が固まってしまう
- 受傷から5年、復職の見通しが立たない
→
ご利用後(1か月)
- 肘の曲げ伸ばしと、肩のコントロールができる
- 手指がわずかに動き、指先の感覚も戻ってきた
- 復職を見据えた実践的な練習に進めている
Situation
ご相談いただいた時の状況
受傷から5年が経ち、麻痺側の肩・肘・手はいずれもご自身では動かすことができない状態でした。医療機関でのリハビリはすでに終了しており、週に数回通われているデイサービスで身体を動かすほかに、腕へ集中して取り組む機会がありませんでした。
重機を扱うお仕事への復職を強く希望されていた一方で、「5年も何もやっていないのだから、今さら動くようにはならないだろう」というお気持ちも抱えておられました。
ご本人が困っておられたこと
- 麻痺側の腕を、自分の意思で動かすことができない
- 力を入れようとするほど、腕全体が固まってしまう
- 復職に必要な手の動作を、練習する場がない
Program
当センターで行ったリハビリの内容
まずは「力が抜けている状態」をご本人に感じていただくことから始めました。麻痺した腕は、動かそうとするほど過剰に力が入り、かえって動きを妨げてしまいます。1回120分という時間を活かし、肩甲骨や体幹からゆっくりとほぐして腕が軽くなる状態をつくり、そのうえで動きの練習に移りました。
動きが出てきてからは、肘の曲げ伸ばし、腕を思う方向へ運ぶ練習、手指の細かい動作へと段階的に進めています。ただ回数を重ねるのではなく、力を抜いたまま動かす感覚をそのつど確かめながら取り組みました。
1回120分の組み立て
| 内容 | ねらい |
|---|---|
| 肩甲骨・体幹をゆるめる | 腕の付け根から緊張を落とし、力が抜けた状態を体感していただきます。 |
| 肘と肩の動きの練習 | 曲げ伸ばしや腕を運ぶ動作を、力を抜いたまま行う感覚を育てます。 |
| 手指の訓練 | つまむ・握るといった、復職に必要な動作の土台をつくります。 |
リハビリ以外の時間の過ごし方
週2回のリハビリで得られた状態を保つため、通われているデイサービスでの運動が腕の負担にならないよう、力を入れすぎない範囲を一緒に確認しました。ご自宅でも取り組める簡単な動かし方をお伝えし、無理なく続けられる内容に調整しています。
Progress
経過と、現在の状態
初日の時点では、麻痺側の腕は肩・肘・手のいずれもご自身では動かせない状態でした。1か月のリハビリを終える頃には、肘の曲げ伸ばしと肩関節のコントロール(腕を行きたい方向へ動かすこと)ができるようになり、手指もわずかながら動かせるようになっています。
腕の緊張が落ちたことで、座っているときの姿勢にも変化がありました。以前は麻痺側に引かれて身体が傾きがちでしたが、今は左右のバランスが取れた姿勢で座っていられます。
現在は復職に向けて、手を伸ばす練習や物を持つ練習など、より具体的な内容に取り組んでいます。
Voice
ご本人・ご家族の声
前までは力が入ると全体が固くなってしまっていたんですが、今は腕の力を抜く感覚がわかってきました。
ご本人(120分・初日)
だいぶ腕(麻痺側)が軽くなりましたね。5年も何もやっていなかったので無理かなと思っていたのですが、やればできるものですね。肘も自分で伸ばせるようになったので、今通っているデイの運動も楽になってきました。指の感覚も戻ってきたので、これから早い段階で復職できるように続けていきたいです。
ご本人(6回目)
Staff
担当者
掲載内容はご本人・ご家族の同意を得たものです。
リハビリの成果には個人差があり、同様の結果をお約束するものではありません。


