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「できること」を一つずつ。身体機能の改善と、現実的な目標設定への寄り添い

この方のプロフィール

疾患脳出血による右片麻痺(高次脳機能障害をともなう)年代・性別男性
利用期間継続利用中頻度・1回の時間週1回・90分
利用形態通所コース通常コース

Summary

この事例の概要

脳出血による右半身のまひを抱えたS様です。お越しになった当初は移動を完全に車椅子に頼っており、ベッドへの移乗にも多くの介助が必要でした。まず取り組んだのは、毎日の暮らしを大きく左右する移乗動作の負担を軽くすることです。痛みをやわらげながら動作の練習を重ねた結果、移乗もトイレまでの移動も、必要な介助の量が大幅に減りました。杖と装具を使えば、介助のもとで歩くこともできる段階まで来ています。

Change

ご利用前とご利用後の変化

ご利用前

  • 移動は完全に車椅子に頼っていた
  • ベッドへの移乗に、多くの介助が必要だった
  • まひのある側に痛みがある

→

ご利用後

  • ベッドへの移乗に必要な介助が大幅に減った
  • トイレまでの移動とトイレ動作の介助も、大幅に減った
  • 杖と装具を使い、介助があれば歩ける段階まで改善

Situation

ご相談いただいた時の状況

お越しになった当初、移動は完全に車椅子に頼っておられました。ベッドへの移乗にも多くの介助が必要な状態です。

加えて、まひのある側に痛みがあり、高次脳機能障害の影響も残っておられました。

何から取り組むかを決める

できることはたくさんありますが、限られた時間で何を先にするかを決める必要がありました。私たちがまず最優先に置いたのは、移乗動作の負担を軽くすることです。

移乗は一日に何度も行う動作です。ここが軽くなれば、施設内での移動が楽になり、一日の活動量そのものが変わります。暮らしの質に直結する部分から手をつけました。

Program

当センターで行ったリハビリの内容

痛みをやわらげることと、動作を丁寧に練習することを並行して進めました。痛みがあるまま動作だけを繰り返しても、身体は動きたがりません。

少しずつ「自立」への土台を築いていく進め方です。

目標のすり合わせを大切にする

S様は「車で帰りたい」という強い意欲をお持ちです。その気持ちは尊重しつつ、まずは施設での生活を快適にするための現実的なステップを一緒に確かめていく。この対話こそが大切だと考えています。

高次脳機能障害の影響で、ご自身の状態を客観的に捉えることが難しい面もあります。そのぶん、今どこにいて次に何を目指すのかを、繰り返し共有するようにしています。

Progress

経過と、現在の状態

リハビリを継続した結果、ベッドへの移乗、トイレまでの移動、そしてトイレ動作にかかる介助の量が大幅に軽くなりました。身体の機能としては大きな前進です。

歩行についても、杖と装具を用いて介助があれば行える段階まで改善しています。

残っている課題

実用的な歩行、つまり日常の中で使える歩き方には、まだ課題が残っています。まひのある側の痛みや、ご自身の状態を捉えにくい面についても、引き続き向き合っているところです。

一歩ずつ着実に、ご自分の力で動ける範囲を広げていけるよう、訓練を続けています。上肢の痛みをやわらげ、活動量を保つことで、より穏やかに、意欲的に毎日を過ごしていただけることを目指しています。

Staff

担当者

施設長・理学療法士の滑川実信

滑川 実信(理学療法士)

総合病院にて臨床16年(入院・外来・介護施設・通所・訪問)/脳血管疾患・パーキンソン病・整形疾患・難病

メッセージ

移乗やトイレ動作がスムーズになったことで、S様の日常生活に少しずつゆとりが生まれてきました。ご自身の状態を捉えにくい面や痛みに対しても、ご本人のお気持ちを第一に考えながら、無理のない範囲で一歩ずつ前進できるよう、根気強く伴走させていただきます。

掲載内容はご本人・ご家族の同意を得たものです。
リハビリの成果には個人差があり、同様の結果をお約束するものではありません。

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